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病院概要

病院長あいさつ

京都大学医学部附属病院 病院長 宮本 享

 このたび病院長に就任いたしました宮本です。ご挨拶を兼ねて、最近の京大病院についてご紹介いたします。

 京大病院では新病棟の建築や既存の病棟の改築など施設整備が急ピッチで進んでいます。2015年に新病棟(南病棟)が新設されるとともに、災害医療に対応できるようにヘリポートが整備されました。2016年には検診部門でもある先制医療・生活習慣病研究センターが新設されました。現在でもすでに全科共通の集中治療室ICUに加えて、脳卒中集中治療室SCUや心血管集中治療室CCU、重症周産期・新生児医療に関するNICUやMFICUなどの集中治療室が活発に稼働していますが、本年秋には高度急性期治療を可能とする別の新たな病棟(中病棟)が竣工し、集中治療病床がさらに約40床増加整備されます。

 京大病院は現在でも大学病院としてもトップレベルの救急応需を行っており、救急外来前に複数の救急車が見られることが少なくありませんが、来年以後には手術部・救急部を含む中央診療棟のリノベーションが予定されており、さらに高難度救急に対する機能が格段にアップするなど、未来を見据えた施設整備が次々と予定されています。

 このような施設整備にともない京大病院は災害対策拠点病院に認定されており、京都地区における大規模災害にも対応できるよう事業継続計画を整備しています。しかし、大切なのは完全な計画をつくることではありません。むしろ災害対応は病院の各部署が発災時に自ら考え判断行動する能力をもつことです。京大病院ではそのようなコンセプトに基づいて、病院全体の訓練や計画だけではなく各部署がミニ訓練を行い、防災・事業継続計画を順次更新していく体制を整備しています。

 手術部においてはより低侵襲で安全な手術を可能とするシステムとして、全国でも数多くの施設で整備されている手術支援ロボットダヴィンチやカテーテルインターベンションを組み合わせたHybrid ORなどは無論のこと、高磁場術中MRI装置や京大にしかないポータブルCTをもちいた高規格ナビゲーションシステムが完備した手術室が稼働しています。全国国立大学病院のなかでは屈指の手術件数であり、質・量とも他の追随を許さない最先端治療環境にあります。



 がん医療については、国立大学では初めてとなる「がんセンター」を2007年に設立し、診療科別の縦割り診療ではなく、腫瘍内科がリーダーとなり診療科・職種横断的ながん医療を実践してきました。最近のゲノム医学の発達とICTの進歩により、がんおよび個人のゲノム情報を融合し、最善の医療を提供する革新的個別化医療が可能となりました。京大病院は全国に11施設指定されたがんゲノム医療中核拠点病院のひとつとして28の連携病院と連携してゲノム解析による個別化医療を推し進めています。

 新しい医療を研究・開発することは臨床研究中核病院に指定されている京大病院の重要な使命です。京都大学iPS研究所との共同研究の成果として、パーキンソン病に対するiPS由来神経細胞の移植や疾患iPS細胞を用いた研究に基づく創薬など難病に対する新しい治療の開発が行われています。中病棟とともにiPS等治験病棟が本年秋に竣工予定で、ますます新しい医療の展開が期待されています。今後、産学連携を強化して当院に設置されているバイオリソースセンターから提供される生体試料、データを活用し、新しい技術開発やバイオマーカー探索を進め、より有効でより安全な医薬品、治療法をできるだけはやく臨床で応用できるようにしたいと考えています。



 このように京大病院は診療においても研究においても最先端の環境にあるhigh volume hospitalですが、病院は「病を治し患う人を癒す」ために存在しています。すなわち、病院運営の基軸はいつも”For the patient(患者のために)”です。医師、看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、理学療法士、事務部門などの多くの職種がチームとして機能してこそ、”For the patient”という揺るぎない基軸のもとに安心安全な医療が可能となります。

 京大病院でも働き方改革をめざして負担軽減のための様々な業務見直しが行われています。また、育児をしながら時短勤務が可能な「キャリア支援診療医」制度や夕方に京都市内の保育所へ院内保育士が迎えに行き夜は院内保育所で保育する「お迎え託児」制度など子育てをトータルサポートする体制も整備しており、今期からは職員支援専従の病院長補佐職を設置しました。数年後には新しい院内保育所の整備が予定されています。今後とも医療に関係する人材がチームスピリットとやり甲斐を感じて働けるような環境をみんなで考えて進めていきたいと考えています。



 京都大学医学部附属病院は1899年(明治32年)に設立され、本年は創立120周年にあたります。これからも職員みんなが心と力を合わせて、社会の期待に応えていくことができるように前進していきたいと考えております。今後ともご支援ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

2019年4月1日
病院長 宮本 享

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