担当者ごあいさつ

江川 美保 (産婦人科医師)

院長写真

 2010年春に京大病院産科婦人科において「ヘルスケア」の専門外来を開設し、以来思春期から老年期まであらゆる年代の女性に寄り添う診療を行ってまいりました。多くの女性がお困りになっている更年期障害や月経不順、月経痛、月経前症候群などに対しては、科学的根拠にもとづいて婦人科的ホルモン療法を安全に行っています。それらの疾病にも、そのほかのこころとからだの症状にも、漢方療法も取り入れた心身一如の治療を心がけ、また必要に応じて抗うつ剤や精神安定剤も使用しています。

 そのような診療の中で、お薬の一定の効果は確認しながらも、患者様の「こころ」と「からだ」と「生活」を切り分けないで全体を見つめること、その作業を患者様と担当医師が一緒に行うことの大切さを学びました。医学的な理解を得てこころとからだの捉え方についていろいろなことにお気づきになり新しいライフスタイルへの前進を始められた患者様から「ここに来てよかった」という嬉しい声や素敵な笑顔をいただいてきたことは、産婦人科医師として無上の喜びです。同時に、心配やしんどさを抱えながら「どこでだれにどのように相談すればよいかわからない」という方々、「病院に行くべきかそうでないかすらわからない」という方々が病院・診察室の外にどんなにたくさんいらっしゃることだろうかと思いを馳せてまいりました。それに気づかせてくださったのは、診察室に来られて「私自身のことは何とかなったが、まだ若いうちの娘はどこに行かせてあげればよいのだろうか?」とつぶやかれた患者様や、市民公開講座などで私の講演を聞いてご意見やご質問をくださった方々でした。

 女性は生涯を通して見える部分、見えない部分でさまざまな変化を体験する生き物であり、「娘・妻・嫁・母・社会人」など社会的役割にも変化と多様性が伴います。そのような女性が感じるこころとからだの違和感のなかには、明らかな病気もあれば、「変化」に関連するもので必ずしも病気とまではいえないものも含まれます。また女性は変化を避けられないという前提の上で、潜んでいる病気のサインや将来の健康へのリスク因子は見落としたくないものです。産婦人科医師として得た知識と臨床経験を活かして、病気の有無にかかわらず、女性のこころとからだの悩みや心配にもっと幅広く対応できる診療を行いたいと思い至りました。

 そこで、2003年に当院内に開設された「女性のこころとからだの相談室」において、医師としては初めて2015年秋よりカウンセリングを担当することになりました。傾聴と対話に十分な時間をかけ、女性お一人お一人が本来持っておられるお力を引き出すお手伝いをしたいと思います。その女性が健康と幸せに向かって第一歩を踏み出すきっかけができるよう、またその女性の周囲に安心と笑顔が広がるよう願って、この自由診療にあたらせていただきます。


専門分野など

専門分野: 女性医学・女性のヘルスケア・婦人科内分泌学
専門医資格:日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
所属学会: 日本産科婦人科学会、日本女性医学学会、日本女性心身医学会、日本性感染症学会など

京大病院産科婦人科にて2010年5月よりヘルスケア外来を担当、2015年4月より女性漢方外来も担当。
月経異常、月経困難症、月経前症候群、更年期障害、骨粗鬆症、心身症・ストレス症状などに対応している。
対話を重視し、婦人科診察・検査・ホルモン療法・漢方療法などを行い、他の診療科との連携にも務めている。

 


略歴

1994年 京都大学医学部 卒業
 職歴:京都大学医学部附属病院(研修医)、国立京都病院(レジデント)、京都桂病院(副医長)など
2001~2005年 京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学・博士課程にて生殖医学の研究、学位(医学博士)取得
2010~2013年 京都大学大学院医学研究科 エコチル調査京都ユニットセンター(特定助教)にて
        環境省子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の実務を担当
2014年~    京都大学医学部附属病院 産科婦人科(特定病院助教)