患者(被験者)のみなさまへ

患者(被験者)のみなさまへ

メッセージ

病気やけがの治療に欠かせない『薬』。近年、臨床研究の進歩に伴い、多くの新薬が医薬品として認可され、多くの人たちがその恩恵を受けられるようになってきました。しかし、世界にはまだまだ新しい薬の開発を待ち望んでいる患者さんが数多く存在します。「全世界の病気と戦う患者さんに新薬や新しい治療法をお届けし、医療の発展に貢献したい。」この思いは、私たち医療に携わる者の願いでもあり、使命でもあります。
臨床研究総合センターは、革新的な医薬品や医療機器等の開発につながる臨床研究の実施を支援することで、先端医療を患者さんにより早く提供し、健康福祉と医学の発展に貢献することを目的に設立されました。
難病で苦しむ方々の治療へと繋げるため、患者さんのご協力により臨床研究を推進し、新しい医療技術の確立を実現したいと思いますので、「臨床研究」へのご理解とご協力をお願いいたします。

臨床試験・治験とは

『臨床試験』とは、医療品や医療機器、治療方法等について、人での有効性や安全性について調べる試験を言います。また、その中で、厚生労働省から医薬品、医療機器として承認を受けるために行う臨床試験のことを『治験』と言います。 治験は国が定めた『薬事法』や『医薬品の臨床試験の実施の基準 (GCP)』などの法律を遵守して実施されています。

■ (くすりの) 治験のフローについて

  1. 基礎研究
    くすりの開発は、まず、くすりの候補となる物質を探すところから始まります。何千何百という物質の中から候補となりそうなものが選び出されます。
    次に
  2. 非臨床試験
    ネズミ・ウサギ・イヌ・サルなどに使って、効力 (有効性)と毒性 (安全性)を詳しく調べ、くすりとして使えそうなものだけが候補として選ばれます。
    次に
  3. 臨床試験 (治験) : GCP
    人に安全で効果があるかを調べます。
    第 I 相
    少数の健常な人 (ボランティア)を対象に同意を得て、体内でのくすりの働き方や安全性などを調べます。抗がん剤など、健康な方に使用できない薬の場合は、少数の患者さんに参加いただくこともあります。
    第 II 相
    少数の患者さんを対象に有効性と安全性を調べます。使用方法や投与量などについても検討します。
    第 III 相
    より多数の患者さんを対象に新薬としての有効性を見極める最終的な試験を行います。
    (対照薬との二重盲検比較試験等)
    次に
  4. 製造承認申請
    国 (厚生労働省)に対し、承認申請を出します。
    次に
  5. 承認審査
    効果と安全性が確認されたものだけが、国 (厚生労働省)によって承認されます。
    次に
  6. 製造・販売
    「医薬品」として病気の治療に使われるようになります。
    最後に
  7. 市販後調査
    医薬品として市販された後でも、新たな副作用がないか、多くの患者さんに対して有効であるか等調べます。

※ 医薬品の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice: GCP)

インフォームド・コンセント

インフォームド・コンセントとは、自分の病気やこれから行われようとする治療方針について、医師などから十分な説明を受けて、よく理解した上で患者さん本人の自由意思で治療を受けることに同意をすることです。
臨床試験におけるインフォームド・コンセントでは、説明文書をもとに医師が臨床試験への参加を考えておられる方に対して説明を行います。臨床試験のスケジュールや試験薬のこと、また臨床試験以外の治療法など疑問があれば医師や臨床研究コーディネーターに納得できるまで説明を受けることができます。その上で、臨床試験に参加するかどうかは患者さんの自由です。そして参加される場合は必ず文書により、同意 (同意書への署名)が必要となります。

※臨床試験への参加にあたり、必ず患者さんのサインを同意書にいただくことが義務づけられています。この同意は、患者さんの自由な意思に基づいたものであり、サインした後でも治験への参加を取りやめることができます。

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用語集

●GCP (Good Clinical Practice)

「医薬品の臨床試験の実施の基準」。治験がより科学的に、より倫理的に行われるための基準で、すべての治験がこの基準を遵守しているかどうか厳しくチェックされます。特に、試験に参加する患者さんの人権、安全性ならびに福祉(肉体的及び精神的な健全性) の保護を最も重要とし、最大の配慮がなされなければいけないと規定されています。

●臨床研究コーディネーター (CRC:Clinical Research Coordinator)

臨床研究が円滑に行われるよう患者さん・医師・製薬会社等の間に立って、医学的判断を伴わない各種業務全般を行います。また、患者さんのスケジュール管理やケア、相談など、患者さんが安心して臨床研究を受けるための対応も行います。

●治験審査委員会 (IRB:Institutional Review Board)

治験を含む臨床試験を行うにあたり、患者さんの人権・安全・福祉に問題がないかどうか審査する第三者機関のことで、医学・薬学の専門家や(医学・薬学の)専門外の人、当院とは利害関係を有しない委員により構成され、安全性と倫理性を保つために厳しく審議します。臨床試験を行う医療機関には必ず設置され、ここで審査・承認を受けないと臨床試験を実施することができません。

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医の倫理について

医学の進歩のためには、『ヒトを対象とする医学研究=臨床研究』が必要不可欠です。しかし、被験者の利益が科学や社会貢献の犠牲になってはなりません。
この『医の倫理』を打ち出した『ヘルシンキ宣言 (世界医師会)』の趣旨に添い、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院では「医の倫理委員会」を置き、「医の倫理」に従い行動しています。

医の倫理委員会 詳しくはこちら新しいウィンドウが開きます

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